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漢方生薬 牛黄(ゴオウ)とは

牛黄と耳鳴り、花粉症、めまい、頭痛

気になる耳鳴りに霊黄参
 <春の病>耳鳴りでお悩みの方はとても多く、身近な症状であるにも関わらず「スパっと治った」という言葉を聞いた事がありません。五行的には「耳の開竅する」のが腎なので、腎の病で間違いないのですが、実際は腎だけでは解決できないとても難しい症状の一つです。

耳鳴り

耳鳴りは腎の病でありながら、春に悪化しやすい「春の病」という性格を持っています。ここから「温病」であることが分かります。温病とは、冬の寒さで閉じ込められていた「出すべき熱」が、気温の上昇に伴い、逃げ場を求めて暴れだした状態を言います。耳に逃げれば耳鳴り、鼻や目なら花粉症です。また、気管支ぜんそくや花粉症の鼻水に小青竜湯と霊黄参を一緒に服用すると小青竜湯単味よりはるかに優れた効果が実証されています。
温病自体は腎の保温力の低下によるものでも、腎虚が引き起こしている症状の緩和の目標は「熱のこもり」の解消です。そこで必要になるのが「出すべきものは出す」牛黄です。耳鳴りは、溜まった熱で沸かしているピーピーケトルが、沸騰して鳴っているようなものです。春のめまいや頭痛、肩こりも温病の仕業です。

牛黄(ゴオウ)その一

牛黄は『日本薬局方』にも収載されているとおり、牛の胆のう中に生じた結石、要するに胆石です。牛黄は約1〜4センチメートルの不規則な球形または角(かど)のとれたサイコロのような形をした赤みがかった黄褐色の物質で、手にとってみると以外に軽く、割ってみると、木の年輪のような同心円状の層があります。口に含んでみると心地好い苦味と微かに甘みのあるものが良品とされています。

牛黄

『第十五改正日本薬局方解説書』によれば、その薬理作用として、血圧降下作用、解熱作用、低酸素性脳障害保護作用、鎮痛作用、鎮静作用、強心作用、利胆作用、鎮痙作用、抗炎症作用、抗血管内凝固作用などが挙げられており、適用としては、動悸による不安感の鎮静、暑気当たりに対する苦味清涼、のどの痛みの緩解に粉末にしたものを頓服する。また、主として配合剤の原料とするとの記載があります。
そこで店頭の薬を見てみますと、牛黄は、救心や六神丸といった強心薬、宇津救命丸(うづきゅうめいがん)や樋屋奇應丸(ひやきおうがん)といった小児五疳(しょうにごかん)薬、ドリンク剤などの滋養強壮剤や風邪薬、胃腸薬などにひろく配合されていますが、これらの適応はどこからでてきたものか、牛黄の歴史をひもといてみたいと思います。
牛の胆石が人の病を治す物質として用いられ始めたのは、牛の家蓄化とならんで紀元前、数千年前に遡(さかのぼ)るのか、それとももう少し新しいものなのかは、牛黄が記録に登場するのが、紀元前の秦(しん)の時代から2世紀の漢の時代にかけて成立したといわれている中国最古の薬物書である『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』であるため、ヒトがウシを飼いはじめてから数千年の歴史の中の一体どこなのかは、初めて牛を家畜化したといわれるメソポタミアなのか、その後のエジプトなのか、さらには牛を現在でも神聖動物と考えるインドなのか、ほとんど見当がつきませんが、ともあれ、とてつもなく長い歴史を秘めた薬であることは間違いありません。
このように長い間、人間とかかわりあってきたにもかかわらず、意外と近年の研究もあまり多くないのは、牛黄の希少性と、これに伴う価格の高さによるのでしょうか。牛黄をもった牛は千頭に一頭といわれ、最近では衛生環境の整備された牧場が多くなったため、更に胆石持ちの牛が少なくなり、市場でのグラム当りの価格は金と変わらなくなっています。こういった事情は昔も同じだったようで、中国明(みん)代の本草(ほんぞう)学者である李時珍(りじちん)の著した『本草綱目(ほんぞうこうもく)』にも「薬物として高価なることこれ以上のものはない」と記されているのも、現代のように大量に牛を屠殺することのなかった時代では、なおさら入手が困難だったことがうかがえます。
わが国における牛黄の歴史も古く、『続日本紀(しょくにほんぎ)』に文武(もんむ)天皇二年(698年)正月、土佐(とさ)の国から、同年十一月、下総(しもうさ)の国から牛黄が献上されたとの記録があります。
また、『令義解(りょうぎげ)』には、牛黄の取扱いについての記載が見られます。『令義解』とは日本最古の法典である『律令(りつりょう)』の注釈書です。『律令』は大宝律令や養老律令等が知られていますが、大宝律令は全く散逸してしまったのに対し、養老律令の方は、大部分が、『律令』の公定注釈書である『令義解』などによって復元されています。
駿牛図(重文・鎌倉時代)
その『律令』の中に廐牧令(きゅうもくりょう)という、中央の廐舎と地方の牧場の運営、官馬牛の飼育などに関する諸規定を収めた法律がありますが、この中に―凡(およ)そ官の馬牛死なば、各(おのおの)皮、脳、角、胆を収(と)れ。若し牛黄得ば、別に進(たてまつ)れ―という件があり、この頃から牛黄は貴重なものと考えられていたようで、また、牛黄とは何かということの説明もないことから、7世紀頃には、すでに牛黄が牛の内臓中にあって薬用になるものだということが多くの人々に知られていたと考えられます。

牛黄

牛黄の文献的研究は満州医科大学の杉本重利氏の詳しいものがありますが、これによると牛黄は奈良朝以前、すでに推古天皇のころには輸入されていたようで、それ以前には允恭(いんきょう)天皇の三年一月(414年)に天皇の病気治療のため新羅(しらぎ)へ医者の派遣を求めていることから、当時の中国医学の中心であった『千金方(せんきんぽう)』などが朝鮮でも利用されていたと考えると、『千金方』には牛黄を使用した処方が多くあることから、さらに古くから、わが国に伝えられていたと考えるのが妥当だとの記載があります。

神農本草経

さてそれでは牛黄はどのような病気の治療に用いられてきたのでしょうか。牛黄の記録としては最も古い『神農本草経』には「驚癇寒熱(きょうかんかんねつ)、熱盛狂痙(ねっせいきょうけい)。邪(じゃ)を除(のぞ)き、鬼(き)を逐(お)ふ」と記されています。これは主として急に何物かに驚いて卒倒して、人事不省になってしまう者
や、高熱が続き、痙攣(けいれん)を起こしたり、そのために精神に異常をきたしたりした者の治療に使用し、また、人に悪い影響をあたえる邪気をとり除き、死人のたたりの鬼気を逐い払う作用があるとしています。これは即ち邪や鬼といったもので現わされる病気を駆逐したり、病気にかからないようにするといったように治療のみならず予防医学的にも使われていたようです。中国の梁(りょう)(5〜6世紀)の時代の陶弘景(とうこけい)の著した『神農本草経集注(しんのうほんぞうきょうしっちゅう)』には漢の時代の『名医別録(めいいべつろく)』の引用として、「小児の百病、諸癇熱(かんねつ)で口の開かぬもの、大人の狂癲(きょうてん)を療ず。又、胎を堕す。久しく服すれば身を軽くし、天年を増し、人をして忘れざらしめる」と記しています。これは子供の病気ならどんなものでも、高熱を発して歯をくいしばって口を開かなくなってしまう者や、大人なら精神錯乱を治し、長期間にわたって服用すれば新陳代謝を盛んにし、寿命をのばし、物忘れしなくなるということでしょうか。ところでこの『名医別録』にも記載されていますが、牛黄の面白い作用に「人をして忘れざらしめる」というのがあります。
これは宋の時代(10世紀)の大明が著した『日華子諸家本草(にっかししょかほんぞう)』という書物にも「健忘」としてあげられており、いわゆるボケの予防又は治療に用いられてきたと考えられます。現代の中国では、牛黄を芳香開竅薬(かいきょうやく)というカテゴリーに分類し、脳卒中や脳梗塞などの脳血管障害による意識障害に用いているところをみると、古い書物の臨床適応も十分納得がいきます。牛黄の薬理作用の一つに末梢の赤血球数を著しく増加させるといった報告がありますが、これなどもボケなどの脳血管障害には有効に働くものと考えられます。

牛黄(ゴオウ)その二

前頁は古い時代、牛黄はどのように使われたのかということを古い書物に記載されている事実に基づいて説明いたしましたが、今風に牛黄の薬効をまとめてみますと、以下のように大別できるのではないでしょうか

解熱作用

日本脳炎ウイルス

日本脳炎ウイルス
かなりひどい熱を発するような場合に用いられたようです。これは、牛黄がひどい高熱だけにしか有効でないということではなく、牛黄の作用が確実であったため、重病のときの解熱にしか使われなかったということでしょう。なにせ昔から牛黄はとてつもなく貴重な生薬であったわけですから、ちょっとした発
熱などには使われなかったと考えるのが妥当でしょう。薬理実験でも、アミノピリンのような解熱作用はありませんが、確実な解熱作用があります。それに、化学的な合成物質と違い、正常体温まで下げてしまうことはありません。また、近畿大学薬学部の久保道徳教授のように牛黄は単なる解熱薬ではなく、発汗解熱薬だと説明される先生もいます。久保先生は漢方生薬が免疫系を賦活することにより病気を治すことを様々な実験で証明されている方ですが、牛黄も血流を盛んにすることによって発汗を促し、病気の原因となっているウイルスなどの異物を体内から汗と共に排泄し、さらに免疫能を亢進することによって治癒をはやめると説明されています。さらに牛黄には直接ウイルスを不活性化してしまうという作用もあります。北京の中国友好病院の金恩源先生らは日本脳炎ウイルスを、兵庫県立東洋医学研究所の新井喜正先生らはチクングニアウイルスを使った実験でこれを証明しています。要するに牛黄は、発熱という生体にとっての重要な生理的防御反応を抑制することなく、解熱作用を現すというすぐれた生薬であるといえます。単に熱を下げるだけの解熱剤ではないということです。インフルエンザと牛黄

循環器に対する作用

牛黄の強心作用は薬理実験などでは、それほど強いものではなく、牛黄の循環器に対する作用の中心は末梢血管の持続的拡張による降圧作用だとされています。従来は強心作用が中心に考えられていましたが、現在では、末梢血管の拡張と、抗アドレナリン作用がその本体であろうと考えられています。牛黄清心丸のような牛黄製剤の効能が高血圧の随伴症状の改善を謳っているのはまことに当を得たものであることがわかります。ただ、残念なことは、牛黄のこのような効能は、現代の臨床例が十分ではないという理由で、表示できないということです。牛黄を使用した製剤をもつメーカーは、牛黄の素晴らしさを一人でも多くの人々に知らせるためにも、新たな臨床例を積み重ね、伝承されてきた効能を証明してゆく責務があるとおもいます。

鎮静・鎮痙作用

牛黄が『名医別録』に「小児百病…を療ず」と記載されているように、わが国では主に小児の特効薬として、救命丸、奇応丸、感応丸などに配合され、現在でも使われていますが、このような伝統薬は家族のありかたが従来とは変ってきたことに伴い、親から子へ、子から孫へとの伝承が途切れがちになることは否めません。牛黄の素晴らしい効果を考えると残念なことといわざるを得ません。これらを裏付ける薬理作用は、カフェインやカンフルなどの興奮作用を抑制したり、ウレタンや溶性バルビタールの鎮静作用を増強することで証明されています。

利胆作用

牛黄の利胆作用は、多分これに含まれている胆汁酸によるわけですが、胆汁酸塩は脂肪の消化を促進するばかりでなく、腸壁を刺激して腸の蠕動を高め、緩下作用をあらわします。いろいろな有機物と結合して安定化するので解毒作用もありますし、中枢神経を抑制する作用もあります。また、細菌の抑制作用や、ロシアの学者の発表によれば喘息や蕁麻疹などの疾患にも大変良いという話もあります。ともあれ、牛黄の胆汁酸成分も牛黄の多様な効能の一部になっていると考えられます。

解毒作用

ベゾアール(ミネソタ動物歴史博物館)
牛黄の解毒作用が、東洋では病気による、または病気のもととなる毒素を取除くという意味合いが強いのに反し、西洋では毒殺に対する解毒薬として珍重されていたふしがあります。牛黄のことを英語ではベゾアール(bezoar)といいます。語源はペルシャ語の「padzahr」で、「pad(反)」「zahr(毒)」すなわち解毒剤という意味です。

べぞあーる

従来、牛黄に多く含まれるビリルビンなどの胆汁色素は、排泄されるべき老廃物にすぎないとされていましたが、最近の報告では過酸化脂質に対する最もすぐれた抗酸化剤であるα-トコフェロールより優れた抗酸化剤であることがわかってきました。すべての病気の原因、またはすべての病気に活性酸素などの過酸化ラジカルが関わっているのではないかと考えられる今日、牛黄の過酸化ラジカルに対するスカベンジャーとしての役割は注目に値するものではないでしょうか。

終わりに

さて、『本草綱目』のなかに次のような記載があります。それは、「凡そ牛にして黄あるものは身上に夜間光があり、……」というものですが、これは牛黄を持った、すなわち胆石を持った牛は、夜光るというものです。以前は荒唐無稽なこととして、無視されていた箇所と思われますが、最近の研究では、なんらかの疾患をもった生物は発光するということがわかってきました。牛黄を持った牛は、胆石症ですから、光るわけです。ただ、それは極微弱な発光ですから人の眼では確認できないとされています。しかしアフリカのある種族の視力は都会に住むヒトのそれをはるかに越えていることを考えると、今更ながら古人の観察眼の鋭さには驚きを禁じえません。
著しく進歩したと考えられている今日の科学も、案外原始的で、わからないことのほうが多いようです。牛黄という生薬、まだまだ研究することが沢山ありそうです。
引用文献】

岩城利一郎、薬局 18:163 (1967年)
金恩源ら、Pharma Medica 4:121 (1986年)
新井喜正ら、和漢医薬学会誌 4:402 (1987年)
長沢元夫、世界の生薬 (4):1 (1977年)
久保道徳、協励 (10):10 (1989年)
鈴木真海・木村康一、新註校訂国訳本草綱目 (1979年) (株)春陽堂書店
M.DeBakeyら、Surgery 4:934 (1938年)
R.Stockerら、Science 235:1043 (1987年)

牛黄(ごおう)その他説明

 牛黄は牛の胆石で、牛1.000頭に1頭の割合でしか見つからないため、同じ重量で金の約5倍の価額となっており、大変高価な漢方薬です。牛黄の歴史は古く、日本では仏教の儀式で今も使われていますし、5〜6世紀に中国で書かれた「神農本草経集注」という古医書には、重度の発熱、あらゆる子供の病気、大人の精神錯乱を治し、長期に渡って服用すれば新陳代謝を高め、寿命を延ばし、物忘れしなくなると書かれています。現代の中国では、五黄は脳卒中や脳梗塞などの脳血管障害による意識障害に使われています。
 日本では昔から肝炎、糖尿病などの慢性疾患から、疲労、不整脈、風邪、発熱、インフルエンザ、二日酔いなどの広い意味での「救急薬」として使われており、その中でも、特にひどい疲れや風邪、インフルエンザに効果を発揮します。水戸黄門が旅に出るときは、必ず印籠の中に牛黄を入れ困った人を助けたそうです。それほど古くから「気付け薬」として確かな効果が認められているのです。
効果 ■強心(動悸・むくみ・めまい)
■鎮静8イライラ・不眠)
■解熱(風邪やインフルエンザの発熱)
■抗炎症(のどの腫れや痛み)
■抗ウイルス(風邪・ウイルス性肝炎)
■鎮痙(けいれん・ひきつけ)
■血圧降下(肩・首筋のコリ・頭痛・のぼせ)
■肝臓保護(疲労倦怠・二日酔い・肝炎・肝機能障害)
応用 鎮痙、鎮静、解熱、解毒、強心、利胆薬として、熱病、心悸亢進、脳溢血の後遺症に応用される。心臓、循環器系に対する牛黄の作用として、一連の動物実験を行った結果、かなり確実に持続的な血圧低下作用が実証されている。

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